オタクがいっぱい集まった時に喋るあのテンションのあれ

自分の趣味嗜好を垂れ流す露出狂の様なブログです。

私が子供の頃に流行った遊びは「異常」だったらしい。

 

読者の皆様には子供の頃に流行った遊びはあっただろうか?

 

 

 

 

かくれんぼ、鬼ごっこドッジボール、道端の枝を本能のままに振り回す…..などなど枚挙に暇がない 

 

 

 

 

学生時代の私も例に漏れず自分たちで作った遊びを楽しんでいたわけだが、その遊びの内容を大学時代の友人に話したところ、異常だの人の心が無いだの実に高い評価を頂いたのでその遊びの内容と思い出を紹介してみようと思う

 

 

 

 

その遊びの名は市中引き回しの刑ごっこ

 

 

 

 

俗にいう市中引き回しの刑とは、死刑囚を馬に乗せて罪状を描いた札と共に刑場まで公開して連行する制度のことである

 

 

 

 

しかしその当時の私を含むグループ3人は、世界で最も知能指数が低い生き物ということで有名な中学生。市中引き回しの刑とは馬と縄でつながれた罪人が村中を引きずり回される処刑法という勘違いをしていたのだ

 

 

 

 

そんな頭が「アレ」な連中の考えた市中引き回しの刑ごっことは、「名札を付けた人間をお手製のソリ(段ボール製)にあおむけで括り付け、自転車で引きずり回す」という残虐性ここに極まるといった内容で、これにはアンブレラ社も真っ青

 

 

 

 

しかしこれがまたどうしようもなく面白いのだ。走るだけでは感じられないスピード感、眼前に広がる青空、背中に伝わる凄まじい衝撃、そしてなぜか赤く染まる景色(レッドアウト)、そのどれもが得難い経験だったと言えよう

 

 

 

 

だが楽しい時間は突然終わりを迎えることになる

 

 

 

 

それは何回目か分からない私が自転車で引きずられる番が巡ってきたときのことだった

 

 

 

 

最初に聞こえたのは野太い怒声、続いて友人たちの「あばよ!」という言葉。最初は何が起こったのか全く理解できなかった。なにしろ私の体はソリに括り付けられ、視界は仰向けな為青空しか見えていない

 

 

 

 

突然、目の前いっぱいに広がっていた青空が見知らぬオッサンの顔面に塗りつぶされた。彼は心配そうな面持ちで「大丈夫かい!立てる!?」と声をかけてきた

 

 

 

 

私は一瞬で全ての状況を理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やべぇ……通報された……!!!

 

 

 

 

我々は忘れていた。そのあまりの非日常的行為に興奮し、この光景を何も知らぬ道行く人々が目撃したらどうなるかが完全に頭から抜けていたのだ

 

 

 

 

客観的に見れば我々の行っていた遊びはどうみてもマッポー極まる残虐なイジメだろう。通報した方はさぞかし恐怖したに違いない

 

 

 

 

そこから私はその警官に慰められながら学校へ連行され、校長室で何があったのかを問い詰められることになる

 

 

 

 

深刻な顔をしている大人たちに囲まれながら私は頭を抱えた。なにしろここまで大事にしておいて今更「市中引き回しの刑ごっこで遊んでいました(はぁと)」なんて言ったら何をされるか分かったもんじゃない

 

 

 

 

だが言わねば事態は悪化する一方なのも確か。私は悩みながらも勇気を出して事の顛末を洗いざらい話した訳である

 

 

 

 

全てを話し、何を言われるかドキドキしながら身構えていると、予想外の言葉を投げかけられた

 

 

 

 

教師A「かわいそうに……そう言えってあの子たちに言われたのかい?」

 

教師B「今のでたらめな話が本当のことだとは思えないです。」

 

教師C「正直に言ってごらん。大丈夫。私たちは味方だからね!」

 

 

 

 

まさかこの短時間で2度も頭を抱える事態になると誰が予想出来ようか。分かっていない。この教師たちは中学生というものが、いかにIQの足りない生き物かを全くもって理解してないのである

 

 

 

 

 

自分達にも中学生時代があったはずなのになぜこの大人たちは理解してくれないのだろう?その時の自分はそう感じたわけだが、当たり前のことながら全人類皆が皆アホみたいな学生生活を送っているわけではない

 

 

 

 

小学生時代には給食をめぐって本気でクラスメイトとシバき合ったり、女子更衣室を覗くことに人生を捧げていたような野蛮人だった私と教師を志すような人間が同じ様な学生生活を送っているわけがないのである

 

 

 

 

しかし困った。このままでは虐められているのに報復を恐れ、その事実を隠そうとしている典型的ないじめられっ子という概念が私に付与されてしまう。そうなれば親に迷惑をかけるわあらぬ誤解を生むわで面倒な事この上ないことになる

 

 

 

 

それだけは何としてでも避けなければならない。どうにかして教師達にこのバカげた話が本当であることの証拠を突きつけねばならないのだ

 

 

 

 

そのとき私に電流走る――――!

 

 

 

 

あるじゃないか.…証拠が……!

 

 

 

 

おもむろに私はスマホを取り出し「これを見てください」と教師に言い放った。そう、動画を撮っていたのだ。動画には友人達と一緒に楽しそうに遊ぶ私の姿が映っているはずなので、これを見せれば一件落着というわけである

 

 

 

 

そこに映っていた「それ」はもはや人間といっていいかもわからない存在だった。歯をむき出しにし、狂ったように笑いながら「死ねェ!!このまま地獄まで連れて行ってやるぜェ!!!!!」と聞いている者の鼓膜を破らんばかりのクソデカボイスを放つ、私によく似た「何か」が楽しそうに自転車で友人を引きずり回していた

 

 

 

 

映像を見終わった校長室の空気は、それはそれはもう絶品中の絶品だった

 

 

 

 

私はこの後に起こる確かな未来を予想し行動を起こした

 

 

 

 

スマホを使い友人二人を呼び出すと心の中でこう呟く

 

 

 

 

お説教、みんなで受ければ、怖くない